ハカタシダ(博多羊歯) |
低山地のやや乾いた林床や林縁に生育する常緑性の多年草。根茎は短く,横走または斜上する。鱗片は線状披針形,長さ 2 - 8 mm,幅 1 mm以下,褐色で辺縁に毛がある。葉柄は淡いわら色,長さ 25 - 45 cm,葉柄基部には茶褐色の披針形 - 線状披針形の鱗片をやや密につける。葉身は2回羽状複生し,卵状長楕円形,長さ 30 - 40 cm,幅 15 - 35 cm,濃緑色で,光沢があり,硬い紙質。側羽片は間隔が広く,3 - 5対,それより上は羽片が急に短くなり,側羽片と同形状の頂羽片となる。羽片は線状披針形,有柄で基部がもっとも幅広く,先端に向けてしだいに狭くなり,最下羽片の下側最下の小羽片は著しくのびて羽片状に分裂し側羽片と同形状となる。小羽片は先が刺状の鋸歯があり,葉裏で葉脈が明瞭。羽片・頂羽片の表面には羽軸に沿って白い筋が出ることがある。胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間につき,包膜は円腎形で,ほぼ全縁か,わずかに波状縁。和名は葉の羽軸沿いの白い筋を博多織に比している。 英語名:simpler East Indian holly fern 分布:本州(福島県南部,新潟県以西)・四国・九州(最南部を除く);中国 Arachniodes カナワラビ属: カナワラビ ハカタシダ コバノカナワラビ ホソバカナワラビ ナンゴクナライシダ ヒロハナライシダ リョウメンシダ |