フタバアオイ (双葉葵) |
山地の林下に生育する多年草。茎は地上をはい,多肉,円柱形で汚褐紫色,節間が長く,分枝し,先に2-3個の鱗片葉が互生する。葉は1年生で長くのびた茎の先に対生状に2個ついて長柄があり,葉身は薄く,卵心形,鋭頭,長さ 4 - 8 cm,基部は深い心形,両面に白い短毛がある。花は葉柄の基部に,横向に1個つき,紫褐色で径約 1.5 cm。花弁はなく,萼片は3個,下半部が縁で接合し不完全なわん形の仮筒部となり,外面に白毛が多く,上半部は3角状の裂片となり,外側に強くそり返る。仮筒部の内面に帯紫色の条が15本ある。雄ずいは12個,2鱗に並び,花糸は葯より長く,内側の6個は長さ約 2.5 cm,外側の6個はやや短く,はじめは外方に曲がっているが,葯が裂けて花粉が出る頃は,花柱に沿って立つようになる。花柱は合着して柱状になり,先に6個の柱頭がつく。果実は偽漿果,径 1.5 cm。種子は卵形長さ 3 mm,しわがある。 花期:3 - 5月 分布:本州(福島県以南)・四国・九州 Asarum カンアオイ属: アケボノアオイ アソサイシン ウスバサイシン ウンゼンカンアオイ オナガカンアオイ キンチャクアオイ クロフネサイシン サツマアオイ サンコカンアオイ サンヨウアオイ シジキカンアオイ タイリンアオイ ツクシアオイ トイミサキカンアオイ ヒメカンアオイ フタバアオイ ミヤコアオイ |