ヤノネシダ(矢の根羊歯) |
山麓近くなどの林中の地上から岩上,まれに低い樹幹上に生育する常緑性の多年草。根茎は長く横走し,針金状で径 2 - 3 mm,鱗片で被われる。葉柄はほとんどないものから 10 cm 以上になるものもある。葉身は厚い紙質,緑色,脈は不明瞭,単葉,多形,長さ10 - 20 cm,幅1.5 - 5 cmの三角形 - 三角状菱形 - 鉾形,葉が波打つ。葉身の基部は翼状に次第に細くる。葉身は胞子嚢群のつかないほぼ三角形のものから,披針形の胞子葉まで多型で,長さ10 - 20 cm,幅1.5 - 5 cm,全縁または波状縁,先端へ向けてしだいに狭くなり,鋭尖頭。中肋は両面とも隆起し,主側脈はみえず,葉脈は複雑な網状。胞子嚢群は狭い葉について下面全体に散在し,円形からやや長楕円形,径 2 mm前後,若い時には楯状の鱗片に覆われる。 分布:本州(関東地方南部以西)・四国・九州;中国 |