ヒコサンヒメシャラ(英彦山姫沙羅)
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山地の林内生育する落葉高木。高さ 10 - 20 m になる。樹皮は暗赤褐色でなめらかだが,薄くはがれて,暗色の斑紋ができる。葉は互生し,有柄,葉身は羊皮質,楕円形 - 卵状楕円形,鋭尖頭,長さ 3 -7 cm,幅 1.5 - 3.0 cm ばかり,表面は緑色,裏面は淡緑色,両面とものちにはほとんど無毛となる。葉柄は細く,長さ 4 - 7 mm。本年枝の下部の葉腋に直径 3.5 - 4 cmの白い花を上向きに開く。花柄は白い毛が密生し,長さ 2 - 4 mm。花の下には萼片とほぼ同じ長さの苞が2個ある。萼片は5個,楕円形で,長さ 12 - 17 mm,緑色,まばらに鋸歯があり,背面に白毛がある。花弁は5個,白色または淡紅色の斑が入る。倒卵形,長さ 2 - 3 cm,ふちに鈍い鋸歯があり,外側には白い絹毛が密生する。雄ずいは多数,花弁より短く,花糸はすこし毛があり,基部で互いに合着し,花弁の基部に合着する。雌ずいは長さ約 2.3 cm,子房は楕円体で長さ約 3 mm,花柱は子房とともに5個の鈍稜があり,無毛,上方で5個に分岐する。さく果は8 - 9月に熟し,かたい木質で直径約 1.5 cm の倒卵状球形,無毛,熟すと5裂して種子をだす。種子は扁平,縁に広い翼がある。 花期:7月 分布:本州(神奈川県丹沢地方以西)・四国・九州;済州島 Stewartia ナツツバキ属: ナツツバキ ヒコサンヒメシャラ |