アサ科 Cannabaceae

コバノチョウセンエノキ(小葉の朝鮮榎)
Celtis biondii Pamp.

山地に生育し,石灰岩地にも生育する落葉小高木。高さ15 mほどになる。樹皮は灰色。枝は灰褐色で,はじめ黄褐色の伏毛を密生する。小さく円い皮目が散在する。葉柄は長さ 2 - 7 mm,上面に溝があり,若いときに軟毛がある。葉は互生。葉身は長さ3 - 7 cm,幅 2 - 3.5 cmの倒卵形。先端は尾状に長くのび,基部は広いくさび形で,左右不相称。質は厚くてややかたく,両面とも短毛があってざらつく。葉身の上半分に鋸歯がある,支脈2本が主脈に沿うようにのび,側脈は鋸歯の先端に達しない。托葉は線状披針形,軟毛があり,早落性。雌雄同株。雄花は若枝の基部に数個腋生し,雌花は上部の葉腋につき,葉の展開と同時に雄花と雌花が開花する。雄花は雄ずい4,葯は楕円形,長さ 1.5 mm,花糸は無毛で,子房は退化して毛叢のみ。雌花の雄蕊は退化し,花糸のみで,子房は卵形,密に毛を生じ,長さ 1.5 - 2 mm,花柱は2深裂し,柱頭は有毛。核果は球形で径約 6 mm,黒褐色または黒色に熟し,核にはいちじるしく突起する網状紋がある。
花期:4 - 5月 果期:9 - 10月
分布:本州(近畿地方以西)・四国・九州,沖縄;朝鮮半島,中国

4-21-24 福岡県香春町

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